生活習慣病(糖尿病・脂質異常症・高血圧)外来

生活習慣病とは

生活習慣病とは、食生活、運動習慣、喫煙、飲酒などの生活習慣によって引き起こされる病気のことです。多くの生活習慣病は、“サイレントキラー”といわれ、痛みやかゆみなどの自覚症状はなく、相当の年数を経てから病状が現われるのが特徴です。脳卒中 (脳出血や脳梗塞など)や心疾患 (狭心症・心筋梗塞など)など、いきなり命に関わる病気として発病することも稀ではありません。脳卒中を発症すると、言葉がしゃべれなくなったり、手足が動かくなったりして、生活が一変します。それから治そうとしてもうまくいかないことがほとんどです。私は、脳神経外科医として約30年間、このような病気を一生懸命に診てきましたが、結果として言えることは、脳卒中にはならないことです。そのためには、日頃の体調管理と健康診断を大切にして生活習慣病を予防し、もし異常があったら早めに治療を始めましょう。

生活習慣病として総称されている病名は、 糖尿病、 脂質異常症、 高血圧、心筋梗塞、狭心症、脳梗塞、脳出血、がん、腎臓病、肝臓病、骨粗鬆症、歯周病、肥満などがあります。

最新の知見に基づいた「薬」の大切さ

新しい薬は、日々の研究の上、従来の薬を改良してできるので、当クリニックではできるだけ新しい薬を用いるようにしています。そのため、定期的に製薬会社さんに薬の院内勉強会を開いていただき、使える薬の幅を広げています。加齢や生活習慣の変化によってお身体の状態も刻々と変わってきているので、同じ薬をずっと使い続けるのは不合理ですし、その時のお身体の状態に応じた薬を選んでいくことが大切です。

糖尿病外来

糖尿病とは最も重要なエネルギー源であるブドウ糖を細胞の中に取り入れられず、血糖値が高くなる病気です。血糖値を下げるホルモンであるインスリンの不足やはたらきが悪くなることが原因で、慢性的に血液中のブドウ糖濃度が異常に上昇するため、尿から排泄されます。

 糖尿病は、よほど重症にならない限り、自覚症状がほとんどないのが特徴です。サイレントキラーといわれています。定期的な検査で身体の状態を知って、医師による的確な治療を行うことが必要です。

▷院長ブログ「[院内勉強会]トルリシティとアテオス💉」2020/5/31(日)

▷院長ブログ「[院内勉強会]南アフリカ旅行のお話と糖尿病治療薬🗺」2020/2/13(木)

▷院長ブログ「[院内勉強会]低血糖リスクを考慮したⅡ型糖尿病の治療薬デベルザ®💊」2020/1/21(火)

▷院長ブログ「[院内勉強会]日本生まれの糖尿病治療薬ルセフィ®🇯🇵」2019/9/19(木)

▷院長ブログ「[院内勉強会]ユニークなMRさんによる糖尿病治療薬の勉強会🍳」2019/8/27(火)

▷院長ブログ「[院内勉強会]調節しやすい糖尿病治療薬エクア®とエクメット®💊」2019/8/26(月)

▷院長ブログ「[院内勉強会]発売10周年を迎える糖尿病治療薬ジャヌビア®」2019/8/13(火)

▷院長ブログ「[院内勉強会]一週間に一回自己注射する新しいⅡ型糖尿病治療薬💉」2019/6/24(月)

高血圧外来

高血圧とは、血圧の値が高くなる病気(収縮期血圧140mmHg以上、拡張期血圧90mmHg以上のどちらか一方あるいは両方)です。少し血圧が高いだけと自分で判断せずに、早めに内科を受診して、血圧のコントロールを始めることをお勧めします。高血圧は、そのまま放置しておくと動脈硬化が進行して、心臓病、脳卒中、腎臓病などの重大な病気になる危険性が高くなります。

脳外科医として長く過ごしてきて、脳卒中は、一度なってしまうと取り返しがつかない後遺症を残すことを伝えたいです。一生懸命にリハビリをされて社会復帰される方もいらっしゃいますが、多くの方は元どおりの生活に戻ることができません。発症された患者さんやご家族に伺うと、ほとんどの方が「ちゃんと薬を飲んでいたのに」とおっしゃいます。しかし、通院されている際の様子を伺うと、「変わりはないですか?」「ないです」と言って薬をもらっていただけで、実際に血圧がコントロールされていなかったケースが多いわけなのです。脳梗塞や脳出血は、寝ている時や朝方にも起こります。朝飲んだ薬の濃度は時間とともに薄らいでいき、朝薬を飲む前にもっとも薬の効き目が弱くなっています。そのため、血圧であれば朝の内服前に測っておくことが大切で、その血圧を目安に薬の強さを調整していく必要があります。

▷院長ブログ「脳卒中についての勉強会をしました📝」2020/10/28(水)

脂質異常症外来

一般的には「血液がドロドロの状態」、それが脂質異常症といってもいいでしょう。血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)や中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質(血清脂質)が異常に多くなる、または、HDLコレステロール(善玉コレステロール)が少なくなる病気です。以前は、中性脂肪、悪玉コレステロールの値を基準とした「高脂血症」という名称が一般的でしたが、それに善玉コレステロールの値を基準として加えたものが「脂質異常症」です。健康診断の血液検査などで発見されることがほとんどです。

▷院長ブログ「[院内勉強会]遺伝による高コレステロール血症💊」2020/3/29(日)

▷院長ブログ「[院内勉強会]中性脂肪を低下させるパルモディア®💊」2019/7/3(水)

▷院長ブログ「[院内勉強会]脂質異常症の新しい治療薬💊」2019/6/4(火)

生活習慣病はなるべく早く治療を開始しましょう

生活習慣病の恐ろしいところは、これらの病気が重複することで、心筋梗塞や脳梗塞などの命にかかわる病気を起こす危険がより高くなるということです。決して安易に考えず、できるだけ早く生活習慣などを改善する必要があります。

以下のような症状が現れた方は早めにご来院ください。

  • 全身がだるく疲れやすい
  • 体重の増加
  • 急激な体重減少
  • 喉がかわく
  • 尿の回数や量が多い
  • 尿から甘い臭いがする方
  • 寝つきが悪い・寝起きが悪い
  • 頭痛、めまい、ふらつき、耳鳴り
  • 手足のしびれ
  • 肩凝り
  • 動悸、イライラ
  • 物忘れ
  • 勃起不全にお悩みの方
  • 月経異常がある方

生活習慣病は自覚症状がほとんどないので、少しでも不安がある方はお早めにご来院ください。

生活習慣病の治療

■食事療法

食事療法では、身体活動量に合わせた食事をする必要があります。自分にあった分量の食事で、塩分控えにし必要とするすべての栄養素をとるように工夫しなければなりません。当クリニックでは、各病気に応じて、どんなものを食べたらよいか、あるいは悪いかなど、適切な食事指導を行います。

▷院長ブログ「コレステロールの多いおつまみメニュー🍺」2020/8/21(金)

▷院長ブログ「お弁当コレステロールクイズ🍙」2020/7/4(土)

▷院長ブログ「「たんぱく質が見える!」(大正製薬株式会社)」2019/10/13(日)

▷院長ブログ「「糖質が見える!」(大正製薬株式会社)」2019/10/19(土)

■運動療法

運動療法では、血圧や血糖値を改善し、HDLコレステロールを増やす効果があります。食事療法と併せて継続できる運動、例えば、ウォーキング、水中歩行、サイクリングなどの有・酸素運動がおすすめです。
運動療法は適切に行わないと効果がないばかりか、病気によってはかえって体調を悪くすることもあります。やりすぎも良くありません。中には運動療法が勧められない方もいます。
信頼できる医師の指導のもと、食事療法と運動療法をバランスよく継続していくことが大切です。当クリニックではそのためのアドバイスも行っています。

▷院長ブログ「自宅でできる簡単エクササイズ🏠」2020/6/22(月)

▷院長ブログ「ジムでトレーニング👟」2019/9/2(月)

■薬物療法

食事療法と運動療法を中心に行い、効果がみられない場合には薬物療法を行います。病気によって、お薬は多種多様です。病気に応じた適切なお薬を選ぶことが大切です。ぜひ、当クリニックにお任せください。

早期発見のために

生活習慣病は健康診断などの一般的検査によって早期発見が可能です。
問診、身体所見の診察、血圧測定、血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲン撮影を行います。血液検査では、肝機能・腎機能・中性脂肪値・コレステロール値・尿酸値・血糖値・ヘモグロビンA1c・電解質・赤血球数、ヘモグロビン量、白血球数、ヘマトクリット値などを行います。必要に応じて、骨密度測定や頚動脈エコー検査を追加します。これは基本的な健康診断となりますので毎年行うことをお勧めします。