骨粗しょう症外来

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1. 骨粗しょう症とは

 骨粗しょう症とは、骨の新陳代謝(骨吸収と骨形成)がうまくいかなくなり、骨がスカスカになり骨折しやすくなる病気です。治療しないで放っておくと、日常動作や転んだ時の軽い衝撃で骨折をおこしやすくなります。一度骨折を起こすと1年以内に2度目の骨折を起こしやすくなります。骨折を起こしやすい部位は、腕の付け根(上腕骨頸部)、手首(橈骨遠位端)、背骨(腰椎)、太ももの付け根(大腿骨近位部)などです。骨折を繰り返し寝たきりになることもあります。


 加齢ともに骨量は減少していきます。特に閉経後の女性では、エストロゲンの分泌量が急激に減少するため骨粗しょう症になりやすくなります。最近の研究ではコラーゲンの劣化や減少でも骨粗しょう症になることが明らかになってきました。ステロイド剤の長期服用・関節リウマチ・糖尿病・慢性腎臓病・副甲状腺機能亢進症なども続発性に骨粗しょう症の危険性を高めます。

2. 予防

 骨粗しょう症の予防としてはカルシウムを含め栄養バランスのとれた食生活を心がけること、ウォーキングなどの適度な運動を毎日行うことが大切です。さらにコラーゲンの劣化や減少を防ぐためには、生活習慣の改善などが必要です。


3. 診断

 骨粗しょう症を診断するにはまず食生活・生活リズム・生活習慣・骨折の既往などの詳しい聞き取りを行います。さらに骨密度(骨量)測定や血液検査などを行うことにより診断を確定します。骨量については20~40歳の若年成人の平均値(YAM)との比較で診断します。YAM値は70%以下で骨粗しょう症と診断されます。


 当クリニックでは、血液検査で血液中のカルシウム濃度を測定し、エックス線を用いて中手骨の骨の量を測りYAM値を求め診断します。検査はすべて健康保険適応です。年齢・性別に応じて、文京区の健診にも含まれていますので、こちらは無料で検査できます。

 ビタミンD充足度の指標となる血清25(OH)Dの測定が、「原発性骨粗鬆症」を対象に健康保険適応になりました(ECLIA法)。ビタミンDの不足・欠乏は、骨折リスク、転倒リスクを高めるほか、ビスホスホネート製剤といった骨吸収抑制薬に対する反応性を低下させます。

4. 治療

 当クリニックでは、骨粗しょう症予防のためのアドバイス、お薬による治療を行います。お薬は多種多様で、顎骨壊死などの合併症の危険性もありますので、患者さんひとりひとりに準じたお薬を選択します。早い時期に検査をし、骨折などの予防に努めることが大事です。お気軽にご相談下さい。