アレルギー性鼻炎・花粉症・舌下免疫療法

1. アレルギー性鼻炎の種類

アレルギー性鼻炎は、通年性アレルギー性鼻炎季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に分類されます。特に花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水・目のかゆみなどのアレルギー症状を起こす病気です。今や国民病と言われており、日本人の約25%が悩まされています。花粉症かな?と思ったら、ご自分で判断せずに医療機関を受診してください。花粉症は適切な治療により症状を抑えることができる病気です。ぜひ、お気軽にご相談ください。

1)通年性アレルギー性鼻炎

アレルゲンが一年中あるので、症状も一年中あらわれます。

主なアレルゲン:ダニ、家の中のちり(ハウスダストなど)、ゴキブリなどの昆虫、ペットの毛やフケなど

症状

喘息、アトピー性皮膚炎などを合併することがあります。

2)季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)

原因となる花粉の飛ぶ季節にだけ症状がでて、日本では約60種類の植物が花粉症を引き起こすといわれています。関東地方を例にとると、2月頃からスギ花粉の飛散がはじまり4月下旬に飛散が少なくなります。その後、ヒノキ科花粉の飛散がはじまり、5月末頃まで続きます。花粉症の症状は、花粉の飛散量に比例して悪化する傾向にあります。

主なアレルゲン:スギ、ヒノキ、カモガヤ、オオアワガエリ、ブタクサ、シラカンバなど

症状

鼻の三大症状(くしゃみ、鼻水、鼻づまり)だけでなく、目の症状(かゆみ、涙、充血など)を伴う場合が多く、その他にのどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽい感じなどの症状が現れることがあります。さらに、シラカンバ、ハンノキ、イネ科花粉症などの人が、ある果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなり、腫れたりする口腔アレルギー症候群という症状もあります。

2. アレルギー性鼻炎の診断

アレルギー性鼻炎を起こしている原因物質も、症状の出方も人によってさまざまです。まずは原因を探り、自分に合った治療方法を見つけることが大切です。当クリニックでは、血中IgE検査をして原因物質を判断しています。

血中IgE検査

血液検査で、血中の総IgEの量とアレルゲン(スギ・ヒノキ・動物の毛・食べ物などアレルギーの原因物質)を調べます。調べるアレルゲンに関しては選択できますので、医師にご相談下さい。

一般の血液検査では、結果が出るまで1週間から数週間かかりますので、当クリニックでは当日に結果がわかる下記の検査をお勧めしております。

イムノキャップ ラピッド検査

当クリニックではアレルゲンの検査法(特異的IgE検査)の一つとしてイムノキャップ ラピッド鼻炎・ぜんそく検査をおこなっております。

ご自分のアレルギーの原因(アレルゲン)は何か、ご存じですか?

アレルギーの原因を知りたいけれど、時間がなくクリニックに何回も来院できない。そのような方には最適な検査です。

イムノキャップ ラピッドは、指先からのわずかな量(110μL)の採血により約20分で結果がわかるアレルギー検査です。ハウスダスト系(ヤケヒョウダニ・ネコ皮屑・イヌ皮屑・ゴキブリ)および花粉系(スギ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ)の8つの吸入系アレルゲンを同時に測定できます。一度の来院で患者さんと一緒に結果を確認することができるため、すぐに対策を立てることができます。スギ花粉やダニアレルゲンに対する舌下免疫療法もその日に開始することが可能です。

詳しくは、当クリニックの医師・スタッフにご相談下さい。


3. アレルギー性鼻炎の治療

1)薬物療法

それぞれの患者さんの症状や状況に応じてお薬を選び、治療を開始します。

抗ヒスタミン薬

最も一般的なお薬です。ヒスタミンの働きをブロックし、くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状を抑えてくれます。これまでは「花粉症の薬は眠くなる」と言われがちでしたが、眠気などの副作用が軽減された「第2世代抗ヒスタミン薬」が登場し、今ではこちらが主流になりました。

鼻噴霧用ステロイド薬

くしゃみや鼻水などの鼻の症状が強いときに内服薬と併用して使われます。鼻噴霧用ステロイド薬は鼻だけに効くようにつくられているため、副作用は少なくて済みます。

経皮吸収型製剤(商品名:アレサガテープ)

アレサガテープは1日1回の貼付で24時間安定した効果が得られます。嚥下機能(物を飲み込む力)が低下した患者さんや誤嚥リスクのある患者さんには有効な方法です。患者さんの服薬状況がご家族や介護者にも目で確認でき、投与タイミングが食事により影響されないことなど、患者さまの負担が少ないことが利点です。

点眼用抗ヒスタミン薬、点眼用遊離抑制薬、点眼用ステロイド薬など

目の症状に困っている場合に使います。コンタクトをしたままでも使用できる点眼液(アレジオン点眼液)もあります。

お薬での治療があまり有効でない場合には、鼻内のレーザー手術やアレルゲン免疫療法(減感作療法)などがあります。

アレルゲン免疫療法は、減感作療法ともよばれ、アレルギーの原因である「アレルゲン」を少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法であり、アレルギー症状を治す可能性のある治療法と考えられています。アレルギー性鼻炎・気管支喘息などに対してこの治療法が行われていて、当クリニックではスギ花粉症およびダニアレルギー性鼻炎に対する舌下減感作療法を行っています。

スギ花粉症に対する舌下免疫療法

新しい免疫療法として舌下に薬を滴下する舌下免疫療法が2014年に初めて保険適応となりました。アレルギー症状を治したり、長期にわたり症状を抑えることも可能であり、完治しない場合でも症状を和らげ、薬の使用量を減らすことが期待できます。治療を行う前に、問診やアレルギー検査を行い、症状がアレルゲンによるものかどうかの確定診断が必要です。治療は3〜5年の長期にわたって行いますが、すべての患者さんに効果が期待できるものではありません。

スギ花粉症でお悩みの方は是非ご相談下さい。当クリニックで扱っている治療薬は「シダキュア」という舌下錠です。

シダキュア

スギ花粉症に対する舌下(錠剤)投与のアレルゲン免疫療法薬です。問診・血液検査でスギ花粉症と診断された成人及び小児対象で治療を受けることができます。小児の場合、年齢制限はありませんが、舌下錠を正しく使用できることが治療の条件となります。アレルギー治療薬とは違い、服用してすぐに効果が出る薬ではありません。すべての患者さんが100%改善するわけではなく、有効率は70~80%といわれています。 スギ花粉が飛散している時期は、新たにシダキュアの治療を開始することはできません。花粉症の症状を問わず、スギ花粉が飛散していない時期に開始し毎日服用します。

スギ花粉が飛散している時期は、新たにシダキュアの治療を開始することはできません。花粉症の症状を問わず、スギ花粉が飛散していない時期に開始し毎日服用します。

シダキュアによる治療の流れ

問診・血液検査でスギ花粉症であることが確認できたら、アレルゲンを含む治療薬(シダキュア)を舌の下に投与し、1分間保持することで、アレルギー症状を治療していきます。 シダキュアを2週間かけて徐々に増量し、その後は一定量を長期間服用します。初日は当クリニックで服用し30分間ほど様子を観察し問題なければ、2日目からは自宅で服用します。 舌下免疫治療法は注射法よりも若干効果で劣りますが、病院で処方される薬での治療よりも効果があると考えています。また、舌下免疫治療法を行うと、併用する花粉症の薬の量が少なくできるのも大きな利点です。


シダキュアによる治療が受けられない方

  • 花粉症の原因がスギ花粉ではない方
  • シダキュアによるショック症状を起こしたことがある方
  • 重い気管支喘息をお持ちの方

シダキュアによる副作用

アナフィラキシーという重い副作用が現れることもあります。アナフィラキシーとはシダキュアを内服後、多くの場合、約30分以内にじんましんなどの皮膚症状、腹痛・下痢などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、血圧の低下による意識混濁などがおこることをいいます。したがって、初回はクリニックにて内服していただき、内服後約30分間は状態をしっかりと観察させていただく必要があります。

ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法

ダニによる通年性アレルギー性鼻炎を「ダニアレルギー性鼻炎」といいます。ダニアレルギー性鼻炎でお悩みの方はぜひご相談下さい。当クリニックで扱っている治療薬は「ミティキュア」という舌下錠です。

「ミティキュア」は、ダニを原因とするアレルギー性鼻炎に対する舌下投与のアレルゲン免疫療法薬です。

ミティキュア

ダニアレルギー性鼻炎に対する舌下(錠剤)投与のアレルゲン免疫療法薬です。問診・血液検査でダニアレルギー性鼻炎と診断された成人及び小児対象で治療を受けることができます。小児の場合、年齢制限はありませんが、舌下錠を正しく使用できることが治療の条件となります。アレルギー治療薬とは違い、服用してすぐに効果が出る薬ではありませんが、正しく治療が行われますと数か月後から効果が期待できます。年単位で正しく治療が継続されますと、アレルギー症状を治したり、治療終了後も長期にわたり症状をおさえることができます。症状が完全におさえられない場合でも、症状をやわらげアレルギー治療薬の使用量を減らすことができます。 ミティキュアによるアレルゲン免疫療法では次のような効果が期待できます。 ・くしゃみ、鼻水、鼻づまりの改善 ・涙目、目のかゆみの改善 ・アレルギー治療薬の減量 ・生活の質の改善 ミティキュアの治療はいつでも開始することができます。

ミティキュアによる治療の流れ

問診・血液検査でダニアレルギー性鼻炎であることが確認できたら、アレルゲンを含む治療薬(ミティキュア)を舌の下に投与し、1分間保持することで、アレルギー症状を治療していきます。ミティキュアを2週間かけて徐々に増量し、その後は一定量を長期間服用します。初日は当クリニックで服用し、30分間ほど様子を観察し問題なければ、2日目からは自宅で服用します。

ミティキュアによる治療が受けられない方

  • アレルギー性鼻炎の原因がダニではない方
  • ミティキュアによるショック症状を起こしたことがある方
  • 重い気管支喘息をお持ちの方

ミティキュアによる副作用

アナフィラキシーという重い副作用が現れることもあります。アナフィラキシーとはミティキュアを内服後、多くの場合、約30分以内にじんましんなどの皮膚症状、腹痛・下痢などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、血圧の低下による意識混濁などがおこることをいいます。したがって、初回はクリニックにて内服していただき、内服後約30分間は状態をしっかりと観察させていただく必要があります。

2)セルフケア

スギ花粉症に対して

セルフケアで大切なのは、花粉との接触をできるだけ避け、予防するということです。次のようなことに気をつけましょう。

  • 花粉飛散情報に注意する
  • 花粉が多く飛んでいるシーズンは、外出時にはメガネとマスク、帽子を身に着ける
  • 上着は、表面がつるつるとした素材のものを着る
  • 帰宅したら玄関で花粉をよくはらい、洗顔、うがいをして、鼻をかむ
  • 花粉が多く飛んでいる日は窓を開けない
  • 掃除をこまめにする花粉が多く飛んでいる日は布団を外に干さない

ダニアレルギー性鼻炎に対して