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肩の痛み・腰痛・膝の痛み(トリガーポイント注射)/腱鞘炎外来
当クリニックでは、肩こり・肩の痛み、腰の痛み、膝の痛み、手首の痛み(腱鞘炎)などの治療や相談を行っています。これらの痛みは打撲のみならず、疲れ・緊張・過労・運動不足・肥満・生活習慣病などの内科的疾患・更年期障害・うつ病など精神疾患などが原因で起こることもよくあります。当クリニックでは、患者さんの状況を総合的によく把握したうえでもっとも適切な治療を行うようつとめております。
骨・筋肉・関節の痛みに関する治療の基本は、患部の安静です。当クリニックでは、内服薬・湿布(冷・温)の処方に加え、首・肩・腰・膝のピンポイントの痛みにはトリガーポイント注射を行っています。トリガーポイント注射は、頑固なコリにも即効性があります。
トリガーポイント注射
当クリニックでは、頚・肩・腰・臀部・膝の頑固な強い痛みに対して、ネオビタカイン®注を用いたトリガーポイント注射をおこなっています。痛みに対して即効性があるため、大切な予定がある前にもお勧めできます。頑固な頚部痛、肩痛、腰痛、臀部痛、膝痛でお悩みの方がおられましたら、ぜひご相談下さい。
トリガーポイントとは、押さえると痛く、関連する部位にも痛みが拡がるシコリのある圧痛点のことで、東洋医学のツボの位置とよく一致するといわれています。注射をする部位は、頚部・肩部・腰部・臀部・膝部などです。トリガーポイント注射は、東洋医学的なツボの概念に西洋医学の薬物療法を組み合わせた治療法といえます。
痛みがあると、その箇所の血管が収縮し、筋肉が緊張します。筋肉が緊張すると血液の流れが悪くなり、筋肉中の酸素や栄養が不足します。その結果、痛みを引き起こす物質が蓄積し、さらに痛みを引き起こします。その痛みはさらに血管の収縮と筋肉の緊張を引き起こし、悪い悪循環を繰り返します。これを「痛みの悪循環」と呼んでいます。この悪循環におちいると、症状は慢性化していき、いつまでも痛みが取れなくなります。このような状況になる前に、早めに治療することが大切です。
トリガーポイント注射の主な奏効機序は、この「痛みの悪循環」を断つことです。
ネオビタカイン®注は、局所麻酔作用および抗炎症作用により優れた鎮痛効果を発揮します。ネオビタカイン®︎注は、0.1%ジブカイン塩酸塩を主剤として、0.3%サリチル酸ナトリウム、0.2%臭化カルシウムからなる局所注射用鎮痛剤で、配合による鎮痛効果の増強が確認されています。
使用量は頭部・後頚部では一カ所につき0.5-1.0mL、肩甲部では1.0-2.0mL、腰部では1.0-2.5mL、そのほかの箇所は0.5-1.0mLです。
痛みに対する効果時間は、個人差はありますが、注射後速やかに痛みは軽減され、数日間持続します。
施行後は、ベッド上で数分間程度、休んで頂きます。頭部・後頚部への注射ではふらつき感やめまい感、腰・臀部・下肢では下肢の筋力の低下をきたすことがあります。
肩こり・肩の痛み
肩こりとは筋肉の緊張により頚部、肩、肩甲部に鈍痛、不快感、違和感を生じる状態です。原因として本態性のものと症候性のものがあります。
本態性肩こり
姿勢が悪い、過労、運動不足、精神的緊張、寒冷などが原因となります。
症候性肩こり
- 頸椎疾患:頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、頚椎捻挫(むち打ち症)など
- 肩関節疾患:肩関節周囲炎など
- 内科的疾患:筋緊張性頭痛、片頭痛、高血圧など
- 更年期障害
- 心身症:うつ病など
ぎっくり腰(急性腰痛症)
急激に発症した腰痛の総称です。多くの場合、原因の特定できない非特異的腰痛であるといわれています。非特異的腰痛の多くは6~12週以内にほぼ改善しますが、心理的要因も関係していることが知られており、ストレスが腰痛の慢性化、難治化につながるともいわれています。抗炎症・鎮痛作用を持つ非ステロイド性抗炎症薬や消化管障害・腎障害の少ないアセトアミノフェンなどや各種の湿布が主に使用されます。激しい痛みに対しては、トリガーポイント注射、神経ブロック注射が行われます。
急性期には安静が必要ですが、安静期間は短いほど望ましく、痛みがあっても通常の日常生活を維持することは痛みの改善につながり、休業期間の短縮、その後の再発減少にも有効とされています。予防としては姿勢に注意する。急な動作を避ける、疲労・ストレスをためない、適度な運動をする、肥満・寒さに注意するなどの方法があります。
腰痛症には腰椎バンドを用いて、日常生活において患部に過度に負荷がかからないようにします。
膝の痛み
膝の痛みはあらゆる年代にみられ、若年者では外傷・スポーツ障害が多く、高齢者では退行変性による変形性膝関節症が多くみられます。
変形性膝関節症
症状
男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。主な症状は膝の痛みです。初期のころは、立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時だけに痛みが現れ、休めば痛みがとれます。中期になると正座や階段の昇降が困難となり、末期になると、安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち、膝がピンと伸びず歩行が困難になります。
原因と病態
原因は関節軟骨の老化によることが多く、肥満も関与しています。また骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、つかい過ぎによりすり減り関節が変形します。
診断
当クリニックでは、まず、問診や触診で膝内側の圧痛の有無、関節の腫れ、O脚変形の有無などをチェックします。さらにレントゲン検査で膝関節部分の変形の有無を確認し診断します。
治療
変形性膝関節症には、特にロコアテープ®(湿布)が有効で、痛みが強い場合には膝周辺にトリガーポイント注射も行います。ただし、関節内への注射は行っておりません。また、サポーターを用いて、日常生活において患部に過度に負荷がかからないようにします。
予防
日常生活上の注意点として下記のようなことが挙げられます。
- ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える
- 正座をさける
- 肥満であれば減量する
- 膝をクーラーなどで冷やさず、温めて血行を良くする
- 洋式トイレを使用する
変形性関節症
腱鞘炎
腱鞘とは、骨と筋肉をつないでいる腱を包み、腱が滑らかに動くよう支える滑車のような働きをする組織です。腱鞘炎とは、この腱鞘と腱がこすれ合って炎症を起こす病気で、指の付け根などに痛みや腫れが起こります。
近年、携帯電話やパソコンの長時間利用など指の使い過ぎにより「ドケルバン病」といった腱鞘炎や、指の曲げ伸ばしの際に引っ掛かる「ばね指」といった症状が増加しています。腱鞘炎は、手首に負担がかかりやすい子育て中の人や、スポーツやキーボード操作などで指をよく使う職業の人などもなりやすいといわれます。
以下の症状に当てはまる場合は、腱鞘炎の疑いがありますのでご相談ください。
- 痛みが続いている
- 痛みや腫れ、熱っぽさが強い
- 曲げ伸ばしをしなくても痛みが強い
- スポーツなどをしているときに突然痛くなった
- 市販薬を使用してもよくならない
ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)
ドケルバン病は、親指を伸ばしたり広げたりする働きをする腱が、それらを包んでいる腱鞘との間に炎症を起こして発症する腱鞘炎です。手の甲に腫れや痛みが起こり、また親指を曲げたり広げたりすると、手首が痛みます。携帯電話の長時間使用でも起こることから、俗に「テキストサム損傷(text thumb injury)」とインターネット上などで呼称されたこともあります。
手首の親指側に痛みや腫れがあり、親指と一緒に手首を小指側に曲げる、あるいは手首を直角に曲げて親指を伸ばしたときに痛みが強くなれば、ドケルバン病の疑いがあります。
ばね指(弾発指)
ばね指は、指の曲げ伸ばしの際にばねのような引っ掛かりが生じる「ばね現象」です。ばね現象とは、指の付け根が腫れて動かしにくく、一定以上に伸ばそうとするとばねがはじけるように指が急に伸びるものです。指の曲げ伸ばしをするための腱と、腱の浮き上がりを押さえるトンネル状の「靭帯性腱鞘」の間で炎症が起こって発症する腱鞘炎の症状で、手のひら側の親指や人差し指、中指の付け根などが痛むことがあります。
腱鞘炎の予防
腱鞘炎は、手指を動かす腱と腱鞘に過度な負担をかけることが原因で起こりますので、使い過ぎないことが予防の第一歩です。育児や仕事などでどうしても使わなければならない場合は、ときどき休憩をはさんでストレッチをするなど、長時間の継続的な作業はなるべく避けましょう。キーボードを打ったりマウスを操作する際の手首の負担を軽減するクッション、手首を固定するサポーターなどのグッズを活用するのもよいでしょう。携帯電話は片手だけで操作せず両手を使うなど、一部分に負担が偏る動作を続けない工夫をしましょう。
産後の女性は、腱鞘炎になりやすいことが知られています。抱っこやおむつ替えなど赤ちゃんのお世話で休まず手指を使いがちになるので、家族と分担したり、手首に負担のかかりにくい抱っこの姿勢などを工夫するとよいでしょう。
適切でないグリップやボールの握り方、フォームのまま練習を続けたりすると、手指に過度な負担がかかり腱鞘炎につながることがあります。正しいフォームを心がけましょう。
手指の痛みや腫れ、動かしにくさなど、腱鞘炎の初期症状を感じたら、なるべく動かさないように注意しましょう。初期の炎症に対しては氷などで冷やすのもよいでしょう。症状が継続するような場合はご相談ください。
ジクトルテープ
ジクトルテープ75mg(久光製薬)は、非オピオイド鎮痛薬(NSAIDS)で、腰痛症・肩関節周囲炎・頸肩腕症候群・腱鞘炎にきわめて有効な新しい全身作用型の湿布薬です。
全身作用型は口から飲むお薬と同様に、貼ったところからお薬の成分が血液に入り、全身に運ばれて作用しますので、全身(胸・お腹・上腕・背中・腰・太ももなど)どこに貼っても効果を発揮します。
したがって、通常の湿布薬は痛いところに貼るのに対し、ジクトルテープは全身作用型なので全身どこに貼っても効果を発揮します。食事の影響は受けないのでいつ貼っても効果を発揮します。
使い方は1日1 – 2枚を貼り、24時間で張り替えます。毎日継続して使用することにより、より効果的になります。
湿布にて皮膚がかぶれてしまう方の場合は、毎日、貼る場所を変更することにより、かぶれを軽減できます。
痛み止めのお薬を飲むことにより胃腸系の調子が悪くなる方の場合も、内服せずに済むので、効果的です。
ロキソニンやカロナールなどの痛み止めとの併用はしない方が良いです。一日に貼る枚数については、症状によって決めていきますので、ご相談ください。