更年期障害・プラセンタ治療外来

▷院長ブログ「メルスモン注射メルスモン注射(プラセンタ治療)の出荷停止について」2023/2/21(火)

1. 更年期とは

 女性には避けては通れない更年期があります。更年期が近づくにつれ、徐々に卵巣機能の衰えやホルモン分泌の乱れ(エストロゲンの減少)が起こり、更年期障害があらわれます。発症は日常生活のちょっとした変化がきっかけになることがあります。ホルモンバランスが乱れてくるこの時期は、心身ともに不安定になるために、何事にもうまく対応することが難しくなり、更年期障害を引き起こすケースがよくみられます。症状の出やすさには、その人の持つ性格にも関係します。真面目すぎて融通のきかない人や、何事にもネガティブ志向の人は要注意です。

2. 更年期障害の症状

 更年期障害の症状は不定愁訴といわれ、原因となる病気がないにも関わらずいろんな症状がみられます。たとえば、生理不順・顔がほてる・汗をかきやすい・すぐイライラする・寝つきがわるい・眠りが浅い・頭痛・めまい・はきけ・肩こり・腰痛・手足の痛み・腰や手足が冷えやすい・息切れや動悸・疲れやすい・くよくよする・憂うつになるなどです。

3. プラセンタ療法とは

 プラセンタとは胎盤のことで、プラセンタ注射薬はヒトの胎盤を原料としてつくられたアミノ酸製剤です。プラセンタの最大の特徴は新陳代謝を活発にし、自然治癒力を高める効果があることです。さらに自律神経調節作用・基礎代謝向上作用・免疫賦活作用・抗疲労作用・抗アレルギー作用・血行促進作用・強肝作用・乳汁分泌促進作用など、数多くの有用な作用が確認されています。


プラセンタサプリメントについてはこちらをご覧ください。

4. 安全性と副作用

 肝炎やエイズなどの感染のない健康なヒトの胎盤のみを原料としています。ウィルスや細菌は高圧蒸気滅菌により不活化されます。副作用としては、注射部位の疼痛、発赤、皮下出血などが起こることがあります。

5. 使用上の注意点

 プラセンタ注射をおこなった場合は献血ができなくなります。

 臓器提供は原則として控えることが求められています。ただし、移植希望者が移植医から適切な説明を受け、提供を受ける意思を明らかにしている場合は提供できます

6. 健康保険適応

 当クリニックでは、更年期障害に対して健康保険適応でプラセンタ療法を行います。ただし、更年期障害に対する健康保険適応は45〜59歳の女性に限られます。使用するのは胎盤のみを原料とするメルスモン注射剤という医薬品です。1956年に製造承認された医療用医薬品で、発売以来、重大な副作用の報告はありません。保険診療の場合は、通常一回1アンプルを週2回、一日以上開けて皮下注射します。重症の場合は週3回まで注射できます。症状が軽快したら回数を減らします。ホルモン製剤ではないので急に中止してもなんら問題ありません。

 更年期障害だけではなく、乳汁分泌不全、肝機能障害にも健康保険が適応されプラセンタ治療をおこなうことができます。この場合は胎盤のほか臍帯および羊膜を原料としたラエンネックを使用します。

▷院長ブログ「[院内勉強会]慢性肝炎治療に有益なラエンネック®💉」2019/8/29(木)

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7. 費用

※ 更年期障害の治療に保険が適用されていた「メルスモン」の注射薬が約1年間の出荷停止になりました。(2024年2月中旬には出荷が再開予定とのことです。)当クリニックでは、メルスモン注射が出荷されない間、更年期障害の治療にラエンネックを使用しています。
厚生労働省から医薬品として認可されているプラセンタ治療の注射薬には「メルスモン」と「ラエンネック」の二種類あり、ラエンネックのほうがメルスモンよりも10%ほど多く胎盤エキスが入っていますラエンネックは更年期障害には保険適用がありませんので、自費診療になりますが、患者さまへなるべくご負担をかけないよう、自費診療での設定金額を下げて、1本800円(税込)で提供しております。ただし、ラエンネックも品薄状態のため、在庫がないときには提供できませんので、ご了承いただけたら幸いです。

1 ) 初診の場合

初診料、ホルモン検査料、プラセンタ注射で約3,000円かかります。

2 ) 再診の場合

再診料、プラセンタ注射、外来管理加算で約500円かかります。