▷院長ブログ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する在宅検査とJPAP治療💤」2019/8/2(金)
▷院長ブログ「[院内勉強会]睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対するCPAP治療😴」2019/7/19(金)
睡眠時無呼吸症候群 (SAS: Sleep Apnea Syndrome)
ある程度の睡眠時間を確保しているのに、昼間にがまんできないくらい眠くなり、会議中に眠ってしまうことはありませんか?また、「あなたのいびきがうるさくて眠れない。」なんてご家族から言われたことはありませんか?そのような方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)かもしれません。
高血圧・心血管障害・脳梗塞・糖尿病などの生活習慣病の原因となるにも関わらず、SASの10人中9人は診断されることなく見過ごされていると言われています。たかがいびき、と軽く考えている方も多く、まさか病気だとはなかなか考えつかないかもしれません。しかし、SASによって睡眠の質が著しく低下すると、寝不足によりぼーっとして仕事のミスに繋がったり、楽しく充実するはずの時間も眠くて耐えられなくなったりと、日常生活に大きな悪影響を与えます。
以下で紹介する検査によりSASと診断された場合、適切な治療(CPAP)を行うことで、睡眠の質は飛躍的に改善します。適正な睡眠時間で質の高い睡眠を取り、翌朝に疲れや眠気を残さないことで、日々の生活にも意欲と余裕が生まれることでしょう。たかがいびき、されどいびき。ご家族のためにもご自分のためにも、SASの症状に思い当たる方は、是非ご相談ください。まずは、在宅で簡易検査をお受けいただけます。
1. 定義
- 一晩(約7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸(呼吸気流の停止)が30回以上起こる
- 睡眠一時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる
2. 症状
以下のような症状がみられる場合は、もしかしたら睡眠時無呼吸症候群(SAS)かもしれません。
- 朝起きた時に頭痛・頭重感がする、からだがだるく感じる
- 夜間によくトイレで目覚める
- 大きないびきをかく
- 呼吸が止まっていると指摘されることがよくある
- 昼間にがまんできないくらい眠くなる:居眠り運転しそうになる。会議中に眠ってしまう。集中力が保てない
- 肥満傾向
3. 検査
当クリニックでは、このような症状にお困りの患者さんに対して、SAS専門の業者と協力してSAS携帯用検査装置を貸し出し、入院することなく在宅にて検査し診断を行っております。
重症度分類
睡眠一時間あたりの「無呼吸」と「低呼吸」の合計回数をAHI(無呼吸低呼吸指数)と呼び、この指数により重症度を分類します。低呼吸とは換気の明らかな低下に加え、動脈血酸素飽和度(SpO2)が3~4%低下した状態をいいます。
在宅検査
1)携帯型簡易PG(ポリグラフ)検査
最初に行う検査です。在宅にて検査機器を取り付けて寝ることにより呼吸、呼吸努力、動脈血の酸素飽和度、脈拍、いびき音、体位、体動の測定ができます。
検査結果としてAHIが40以上でCPAP治療の保険適応となります。
ここでAHI<40の場合は、CPAP療法の保険適応外となりますので、SASが疑わしい場合は、さらに下記の追加検査が必要です。
2)在宅Full PSG(ポリソムノグラフィー)検査
在宅にて検査機器を取り付けて寝ることにより脳波、眼電図、おとがい筋電図、呼吸運動、いびき音、動脈血の酸素飽和度、体位、胸・腹部運動、心電図の測定ができます。
入院PSG検査と同等の検査を、入院せずに自宅で行えるため、患者さまの時間的・金銭的な負担も少なくなります。何より、ご自分の寝室で寝られるため、検査にあたって気持ちの負担がかなり軽減されます。
検査結果としてAHIが20以上でCPAP治療の保険適応となります。
4. CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)療法
SASの診断がなされた場合は、専用マスクを使用し鼻から空気を送るシーパップ(CPAP)療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)をお勧めしています。このマスクを装着することでいびき音は防止でき、睡眠の質を向上させることができます。朝の目覚めは良くなり、昼間の眠気も軽減し集中力が向上するため、生活は一変します。