生まれたばかりの赤ちゃんを守るための母子免疫ワクチン「アブリスボ」💉

生まれたばかりの赤ちゃんを守るための母子免疫ワクチン「アブリスボ」💉

2026/9/1(火)

今日は、当クリニックで新しく扱い始めたワクチン「アブリスボ」についてご紹介します。みなさんは、RSウイルスという名前を聞いたことがありますか?

RSウイルスは、赤ちゃんの呼吸器感染症の原因ウイルスのひとつで、なんと2歳までにほぼ全員が感染すると言われているんです。日本国内では、RSウイルスに感染した2歳未満の受診者が年間10万人以上と推定されていて、そのうち3万人は入院に至るほど重症化しています。さらに、RSウイルスに感染して入院したお子さんは、その後の喘息の発症率が高いという海外の研究もあります。

RSウイルスに感染すると、まずは発熱ととも鼻水などの症状が現れ、咳が出てきます。ほとんどは数日後に回復しますが、一部では強い咳や呼吸困難などの症状へ進行し、ひどい場合は入院が必要になることもあります。できるだけ、重症化させないことが大切なんですね。

RSウイルス感染症に対する治療薬はないため、感染した場合は、症状をやわらげるための対症療法が用いられます。対症療法とは、病気の原因を取り除く治療ではなく、解熱剤で熱を下げたり、気管支拡張剤で呼吸を楽にしたりなど、病気によって起きている症状をやわらげたりなくしたりする治療のことです。 

生後6ヶ月未満の赤ちゃんはRSウイルスに感染した場合に重症化のリスクが高いと言われているため、妊娠中に母子免疫ワクチンを接種して、生まれたばかりの赤ちゃんを守ることができます。

母子免疫ワクチン「アブリスボ」は、妊娠中にお母さんがワクチンを接種して作られた抗体が、おなかの中の赤ちゃんに移行することで、RSウイルス感染症の重症化を予防する効果が期待できます。効果は生後半年くらいまで持続すると考えられています。

これまでは、希望する妊婦さんが自費で接種していたのですが、2026年4月1日から、定期接種の対象となり無料で接種できることになりました。当クリニックも文京区の指定医療機関になっているため、ご希望の方に接種していただけます。

ワクチンの接種期間は妊娠28〜36週で、接種は一回の筋肉注射です。ただし、免疫が移行する期間が必要なため、接種後14日以内に出生した赤ちゃんに対する有効性は確立していません。

妊婦さんへの副反応としては注射部位の痛み・赤み・腫れ、頭痛、筋肉痛、じんましんや、アナフィラキシーショックなどがあります。

対象となる方には、順次予診票が個別に送付されるそうです。生まれたばかりの赤ちゃんを守る準備として、ぜひご検討くださいね。