片頭痛予防の新しい飲み薬💊

片頭痛予防の新しい飲み薬💊

2026/5/15(金)

みなさん、こんにちは。

当クリニックは、片頭痛に悩まれて来院する患者さんも多いので、今回は、昨年末から今年にかけて新しく使えるようになった、片頭痛の予防療法のための飲み薬2種類(ナルティークとアクイプタ)をご紹介しようと思います。予防療法を行うと、もし発作が起こってしまった場合でも、症状が軽く済んだり、痛みを鎮めるお薬が効きやすくなるという効果があるんですよ。

片頭痛は、三叉神経から放出されるCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という神経伝達物質が、CGRP受容体に結合することで起こります。ナルティークやアクイプタは、ともにCGRP受容体拮抗薬と言い、CGRPが受容体に結合するのを妨げて、片頭痛の発作を抑えるお薬です。これは、1ヶ月に1回の注射で片頭痛を抑える注射薬「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーク」と同じ仕組みです。

それぞれのお薬について説明します。

ナルティークOD錠(75mg) (ファイザー社)

半減期が11時間のため2日に1回の内服です。口腔内崩壊錠という、口の中で溶けるお薬のため、水なしでどこでも飲むことができます。ちなみに、ミント味です🌿食事の影響を受けないため、ご自身の続けやすいタイミングに合わせて、食前でも食後でもいつでも飲むことがきます。

ナルティークは、片頭痛の予防のためだけでなく、片頭痛の発作時にも痛みを鎮めるために使用できるお薬です。(ただし、服用できるのは1日1回1錠までなので、予防薬としてすでにその日に1錠内服した場合は、それ以上は使用できません。)

処方が可能なのは一度に2週間分(7錠)までで、金額は3割負担の方で1錠あたり約900円です。

アクイプタ錠(60mg・30mg・10mg)(アッヴィ社)

半減期が4時間のため1日に1回の内服です。こちらも食事の影響を受けないため、食前食後にかかわらずいつでも服用することができます

60mg、30mg、10mgとあり、60mgが原則ですが、患者さんの症状によって減量も可能です。ナルティークと同様に、処方が可能なのは一度に2週間分(14錠)までで、金額は3割負担の方で1錠(60mg)あたり約450円です。アクイプタは、予防のためのお薬なので、すでに起きてしまった片頭痛の痛みを鎮めるお薬ではありません

どちらのお薬も、原則として18歳以上で月に5回以上の片頭痛発作が認められる患者さんが対象です。また、妊娠している方や授乳中の方には原則使用できません。

当クリニックでは、これまでも片頭痛の予防外来として「エムガルティ」「アジョビ」「アイモビーク」など注射タイプのお薬での治療を行なってきましたが、今回の新しい飲み薬は、片頭痛予防治療の新たな選択肢となりました。患者さんのライフスタイルによって、注射薬か飲み薬か、ご自身にあった治療を選ぶことができます。お忙しくて定期的な来院が難しい患者さんは、オンライン診療後にお近くの薬局に処方箋をお送りすることも可能です。

辛い片頭痛は、日常生活に支障をきたします。発作が起こったときに痛みを鎮めるだけでなく、予防療法により、普段から片頭痛の発作をなるべく起こさないようにすることが大切です。患者さんが辛い痛みから解放されて健やかな毎日を送れるよう、患者さんそれぞれに合った治療を一緒に考えていきたいと思っています。

片頭痛に悩まれている方は、ぜひご相談くださいね。