2021/3/15(月)
みなさん、おはようございます。もう東京で桜の開花宣言がされたようですし、暖かい日が続いていますね。僕は桜が好きなので、満開になるのが楽しみです。
最近、睡眠にお悩みがあって来院される患者さんが少なくないので、今日は不眠症について書こうと思います。
まず、不眠症とは、夜中に眠りたくても眠れず、不眠症状のために心身の不調があり日常生活に支障が生じる病気で、以下のような症状があります。
- 寝つきに時間がかかって苦しい入眠困難
- 夜間に目覚めて二度寝に時間がかかる中途覚醒
- 朝早くに目が覚めてもう眠れない早朝覚醒
夜中に眠れないこと自体も苦しいですし、そのせいで日常生活に支障が生じたり、心や身体の不調として出てくると辛いですよね。なんと、成人の1割が不眠に悩んでいるというデータもあるそうです。
残念なことに、3ヶ月以上続いた不眠症は自然に治ることは少ないと言われていますので、睡眠習慣の改善と薬物療法をバランスよく行うことで、気持ちよく眠るお手伝いをさせていただきたいと思っています。
よく、「6時間くらいするとどうしても起きてしまって、8時間眠れないんです」と相談されることがあるのですが、睡眠時間というのは年齢とともに短くなると言われていて、65歳以上の方の睡眠時間は6時間程度なので、心配することはありません。
また、脳の活動状態を見てみると、いつも寝ている時刻の2〜3時間前というのは、もっとも寝つきにくい時間で、入眠禁止ゾーンを呼ばれていますので、この時間帯にお布団に入るのは避けましょうね。
以下の眠りのコツの中から、ご自身の生活環境の中でできることから取り入れていって、気持ちよく眠って朝すっきり起きられるような睡眠習慣に変えていきましょう。
僕から特に注意したいのは、寝る前のカフェインやアルコールの摂取と、布団の中でのスマートフォンの操作についてです。
まず、コーヒーや紅茶、緑茶やコーラなどカフェインが含まれる飲み物やアルコールは覚醒作用や利尿作用などにより睡眠の質を下げてしまうので、これらを飲むのは、布団に入る4時間前までにしましょう。そして、布団の中でまったりスマートフォンをいじるのは、僕もついやってしまいがちですが、寝つくためには逆効果ですので、気をつけましょうね。
不眠症外来をしていると、「眠れないので眠れる薬をください」といらっしゃる患者さんが多いのですが、良く眠るためにはこのように日常生活を整えることが一番大切ということを、くれぐれもご理解ください。睡眠薬はあなたの眠りをサポートしてくれる心強いパートナーですが、あくまで、日常生活で眠るための準備を整えた上で、取り入れていきましょうね。
お薬についても書く予定でしたが、長くなりすぎて疲れてしまったので、次回に書きます。今、不眠でお悩みの患者さんは、ぜひ、ご自身の睡眠習慣を見直して、睡眠スケジュールを立ててみましょう。
もちろん、自分でどうしたらいいかわからない方は、ひとりで悩まずにまずは不眠症外来にお越しください。僕がいろいろ質問しますので、毎日の睡眠習慣の中で不眠につながっている問題点を一緒に振り返っていきましょう。毎日を元気で生き生きと過ごすためには、質の高い睡眠が不可欠ですからね。
それでは、今週も患者さんに元気と笑顔をお届けするためがんばります。みなさんも、良い1日を。