7月5日(火)、肺炎球菌ワクチンについての話を聞きました。
演者は国立国際医療研究センター病院呼吸器内科長の杉山温人先生です。
高齢(65歳以上)になると免疫が低下し、肺炎にかかりやすくなりますが、以下の疾病を罹っている方は特に注意が必要です。
気管支喘息、糖尿病、慢性肺疾患、慢性心疾患、脳梗塞 など
高齢者が日常の中でかかる肺炎で多い原因菌は以下の通りです。
①肺炎球菌 ②インフルエンザ菌 ③クラミジア・ニューモニエ ④クレブシエラ・ニューモニエ ⑤緑膿菌 ・・・・・
最も多い原因菌は、肺炎球菌で、全体の約30%を占めています。
肺炎のリスクが高い方は、肺炎球菌ワクチン接種による、発症を予防することが重要になってきます。
現在、本邦で65歳以上の高齢者に使用できる肺炎球菌ワクチンは、以下の2種類です。
①23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)
②沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)
それぞれのワクチン特徴は以下を以下に記します。
①23価肺炎球菌多糖体ワクチン(PPSV23)
・B細胞を介した免疫応答のみ
・23種類の型(血清型)に対応
・定期接種または任意接種が可能
②沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)
・B細胞のみならずT細胞も介した免疫応答による優れた免疫応答を示すとともに、メモリーB細胞による免疫記憶を確立
・13種類の型(血清型)に対応
・任意接種が可能
・免疫記憶が付く
・生後2か月から6歳未満の小児に定期接種されているワクチン
定期接種年齢以外の患者さんにはまずPCV13の接種が勧められ、定期接種年齢の方にはPPSV23を接種した1年後にPCV13を接種することが推奨されます。