インフルエンザワクチン
インフルエンザ予防接種を受けていますか?
冬が近づいてくると、手洗い・うがいなど、
ウイルスを体内に入れない対策を意識して取り組んでいる姿が目立ちます。
これはもちろん大切な予防策です。
しかし、ウイルスを完全にシャットアウトし、体内に入れないということは現実的には不可能です。 それにもかかわらず、ウイルスを体内に入れない対策に対して、ウイルスが体内に入ってしまったときの対策(=予防接種)をしている人は意外に少ないというデータがあります(厚生労働省の「定期の予防接種実施者数」によれば、平成24年度の実施率は49.6%)。
インフルエンザとは
インフルエンザは、感染後1~2日の潜伏期の後、普通の風邪よりも急激に発症し、38℃以上の「高熱」、初期には頭痛、全身倦怠感、関節痛、筋肉痛などの「全身症状」が出ることが特徴です。
高齢の方、糖尿病や腎機能障害などの基礎疾患を持つ方、妊娠中の方、乳幼児がインフルエンザにかかると、気管支炎や肺炎、脳炎(インフルエンザ脳炎)などを合併して重症化し、最悪の場合は死に至ることもあります。
お仕事をしている方へ
インフルエンザに感染してしまうと、
- 出社することができなくなる
- 感染拡大を防ぐために家族から隔離される
- 一人暮らしの場合、1人で高熱と闘わなければならない
といった状況に陥ります。
日々の体調管理に加えて、この時期は予防接種を受けてインフルエンザ対策をしましょう。
学生さんへ
インフルエンザに感染してしまうと
- 登校できなくなる
- 大切な試験勉強や試験に支障がでる
といった状況に陥ります。
予防接種は効果が現れるまでに2週間程度かかります。
大切な試験などある学生さんは早めに1回目の予防接種を受け、2~4週間間隔を空けて2回目の接種を受けることをお勧めいたします。
インフルエンザ予防接種とは
インフルエンザの発症、重症化を防ぐために用いられるのがインフルエンザワクチンによる予防接種です。
予防接種によって、体内にインフルエンザに対する抗体を事前に作っておき、インフルエンザウイルスが体内に入ってしまった場合に、発症を防ぎ、万が一発症してしまった場合には重症化を防ぎます。
インフルエンザワクチンの効果
インフルエンザワクチンの効果に関しては、ワクチンを接種しなかった場合におこる危険性をワクチン接種したことによってどの程度減少させることができるのかという相対危険で表すことが一般的です。例えば、有効性70%といった場合、ワクチン接種者10人の中7人が発症しないということではありません。ワクチン接種を受けずにインフルエンザを発症した人の70%は発症を免れたということを意味しています。
よく引用される報告では、発症抑制効果(有効性)は以下の通りです。
65歳以上: 1回接種で34-55%(死亡リスクは82%減)
0~15歳: 1回接種で68%、2回接種で85%
16~64歳: 1回接種で55%、2回接種で82%
このように、インフルエンザワクチンはインフルエンザの発症および重症化をある程度抑制しますが、その効果は完全ではないことに留意しておく必要があります。
特に高齢者や基礎疾患(※)を持つハイリスク群の方は、発症すると重症化や合併症を起こす可能性が高いため、インフルエンザワクチン接種が積極的に推奨されています。
※基礎疾患:気管支喘息や慢性肺気腫などの呼吸器疾患、心不全、先天性心疾患などの循環器疾患、糖尿病、腎不全、免疫不全など
インフルエンザワクチンの主な副作用(副反応)
注射した部分が赤くなる、腫れる、硬くなる、熱を持つ、痛くなるということが、10-20%の人に起こります。通常、2-3日で消失します。
全身の副反応として、発熱、悪寒、頭痛、嘔吐、下痢、倦怠感、めまいなどの症状が5-10%の人に起こります。この症状も通常2-3日で消失します。
非常に稀に、アナフィラキシー(全身性にアレルギー症状が出る反応)などの重篤な副反応が起こることがあります。万が一そのような副反応が出た場合は、すぐに医療機関を受診して下さい。
インフルエンザワクチンには卵の成分が含まれています。近年ではその量は微量であり、問題とならないこともあります。しかし、卵を食べてアナフィラキシーショックを起こすような重篤な卵アレルギーがある方、卵の特異的IgEがスコア5~6以上の方は接種を控えます。
当クリニックでは、乳幼児のお子様は離乳食で卵の加工食を食べてアレルギー症状が出ない方を対象として、接種を行っております。
有機水銀を含まないインフルエンザワクチンについて
1瓶に大人2人分(1ml)のインフルエンザワクチンが入っているものは、使用に際して複数回、瓶へ注射針を刺します。そのため、細菌等が混入する危険性があり、この汚染の危険性を回避する目的で、防腐剤であるチメロサール(有機水銀)を添加します。一方、チメロサールを含まないワクチンは、無菌状態で接種するために、1瓶に1人分(0.5ml)のワクチンしか入れられず、接種対象者1人につき、まるごと1瓶を用います。そのため、単価が上昇してしまいますが、接種に因るアレルギー反応が少なく、注射時の痛みや腫れも軽減できるという利点があります。
チメロサールフリーのインフルエンザワクチンは供給が限られており、在庫がなくなりましたため、今シーズン(2018-2019年)の予約受付を終了させていただきました。ご不便をおかけして誠に恐縮ですが、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
実施期間
当院では、10月1日(月)から摂取可能です。ただし、文京区の助成対象者の場合は、期間が10月1日~1月31日になりますので、ご注意ください。
詳細はこちら(http://www.city.bunkyo.lg.jp/hoken/kenko/yobousessyu/koureisyainhuru.html)をご参照ください。
予防接種は効果が現れるまでに2週間程度かかります。
効果が持続するのは約5ヶ月と言われているので、
10月初旬~12月中旬に接種されることをお勧めいたします。
費用
値段(税込) | 1回目 | 2回目 | |
---|---|---|---|
チメロサール含有 | 3歳未満 | 3,000円 | 2,500円 |
3歳以上 | 3,500円 | 3,000円 | |
文京区助成対象者 | 2,500円 | ||
チメロサールフリー | 3歳未満 | 4,000円 | 3,500円 |
3歳以上 | 4,000円 | 3,500円 | |
家族割引 | 家族2人以上で同時に接種する場合、1人当たり200円割引 ※ただし、助成対象者は除きます。 |
※2回目の価格は当院で2回受ける場合に適用されます。
当院では基本的に診療の対象年齢を12歳以上としておりますが、ご家族で一緒にインフルエンザワクチン接種を受けたいという希望が多いため、インフルエンザワクチン接種に関しては12歳未満のお子様も対応させていただきます。
ワクチンの数には限りがございますので、お早めに接種なさることをお勧めいたします。
※接種回数(原則) 13歳未満:2回、13歳以上:1回
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌は気管支炎、肺炎、敗血症などの重い合併症を起こすことがある細菌の一種です。
65歳以上の方、心臓疾患・呼吸器疾患・糖尿病などの基礎疾患のある方はワクチン接種を受けることが推奨されています。
1回接種後、5年間程度、効果が持続し、5年間経過しないと再接種を受けることはできません。
※平成26年10月1日から定期接種となりました。
この場合、自己負担は、4,000円となります。自費の場合は8,640円です。
平成26年度から平成30年度までの間、定期接種の対象となる方は、年度中に65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳、101歳以上になる方です。
平成31年度からは、年度中に65歳になる方のみが対象となる予定です。
詳細はこちらのホームページ
(http://www.city.bunkyo.lg.jp/hoken/kenko/yobousessyu/koureisyahaienn.html)
をご参照ください。