投稿日:2017年4月12日|カテゴリ:院長コラム

④小児家族性高コレステロール血症

☆家族性高コレステロール血症は、小児期から動脈硬化が進行するため、できるだけ早期に診断することが望ましいです。小児期に診断すると、生涯にわたり正しい生活習慣を身につけ、予後を良くすることができます。

☆小児(15歳未満)家族性高コレステロール血症の診断基準

 1.未治療時LDL-C≧140mg/dl

 2.家族性高コレステロール血症あるいは早発性冠動脈疾患の家族歴(2親等以内の血族)

☆小児家族性高コレステロール血症ヘテロ接合体の薬物療法を開始する基準は、10歳以上でLDL-C≧180mg/dlで、管理目標値はLDL-C 140mg/dl未満です。薬物療法の第1選択薬はスタチンです。

 

⑤家族性高コレステロール血症ホモ接合体

☆家族性高コレステロール血症ホモ接合体の特徴

 小児期より皮膚黄色腫が認められることが多い

 総コレステロール値は通常450mg/dl以上

 100万人に1人

☆家族性高コレステロール血症ホモ接合体の患者さんにPCSK9阻害薬を投与すると、約30%の方においてLDL-Cが低下しますが、LDL受容体が全くなければPCSK9阻害薬は無効になります。

☆平成21年10月より、家族性高コレステロール血症ホモ接合体が特定疾患治療研究事業における対象疾患に認定され、公費負担を受けることができるようになりました。

☆MTP阻害薬 ロミタピド(ジャクスタピッド®)

家族性高コレステロール血症のみを適応とする新しい薬剤です。ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)を阻害し、肝細胞、小腸細胞内で中性脂肪とアポタンパクBを含むリポタンパク質とが会合しないようにして、肝細胞のVLDL、小腸細胞のカイロミクロンの形成が阻害され、LDL-C値が低下します。

 

⑥核酸医薬

標的の遺伝子に相補的に接合して、その遺伝子の発現を抑制する方法(アンチセンス法)を用いた治療薬の開発が行われています。PCSK9のアンチセンスを投与したところ、腎障害が起こったのですが、肝臓のみに運ばれるようにしたところ、腎障害が起きず、LDL-Cを低下させる効果が高かったとのことです。

 

今後、家族性高コレステロール血症に対する治療の更なる進歩が期待されますね!